おどろき

きのう、とても驚いたことがあったのでメモしておくことにする。

何かと言うと、スーパーのレジ前の棚に、オレンジページと並んでマクロビオティックのお取り寄せガイド本が置いてあったのだ。雑誌みたいに。
それも、デザインが全然洒落ていなくって、いわゆる美食のお取り寄せガイドとほとんど同じノリ。スローライフが格好よく雑誌で紹介されるご時世だから、多少は特集本なんかもあっていいのかな、とは思うけれども、まさかこんなに商業的な本が出るほどとは思っていなかったので非常に驚いた次第。言葉としてあまり浸透しているようには思わないのだけれども。
わたしがこの言葉を知ったのは、そんなに最近ではない。下手をしたら5年ぐらいは前かもしれない。

癒す心、治る力―自発的治癒とはなにか (角川文庫ソフィア)

癒す心、治る力―自発的治癒とはなにか (角川文庫ソフィア)

「癒す心、治る力」というアンドルー・ワイルとかいう方が書いた本を読んだとき、だったと思う。マクロビオティックだけではなくて、もしかしたらカイロプラクティックとか、そうそう、ホリスティック医学という言葉を知ったのも確かこの本だったと思う。私は知識欲を満たす本として非常に面白く興味深く読んだのだが、医療に見放されたひとびとにはものすごく魅力的な本なのだろうと思う。実践編として「心身自在」という本もあって、実はこれも読んだのだけれども、一切実践していない。
マクロビオティックって、やるにはかなり覚悟のいる生活習慣だ。ちょっとやってみようかなぁ程度では達成できないと思う。だって修行僧並みの食生活を送らなきゃいけないのだよ?
スローライフだって、ただ流行というだけでは本当には始められないから、それと同じことなのかもしれないが。
どんな立派な思想だって、商業化されてしまえば一番難しいところが削り取られてゆくんじゃないかという気がしてきてしまう。でも、じつは削り取られたところが一番重要だったりして。「もっと簡単に」「もっと気軽に」という風潮は危険なのかもしれないね。商業が中心というか、お金儲け中心で回っているみたいなところのある国だから、仕方ないのだけれども。商売人は意志の弱い大衆の味方だ。真の味方かどうかは場合による、けれども……。