死者と生きる中世

今読んでおりますが、なかなか面白いです。今第三部まで読んだところなのですが、幻想もの読みとしては第二部とか面白かったかな。死者を社会の一員としていたり、遺産を贈った者を親族として特に尊重して祈りをささげてみたりというのが意外でしたね。
あー、なんかロランのサガを読んでみたくなったな。存在は知っているし、剣の名前がデュランダルだとか変に断片的な情報は知っているんだけど、実は知らないんですよね。
あと、河出文庫に中世のの中でという本があるのですが、えーと生活の世界史というシリーズの本ですね。あれを読んでいても思ったことなんですが、何というか私たちが中世という時代について思う以上に紛争というか揉め事の多い社会だなぁということですね。非常に複雑な社会ですよね。今の日本だったら、争いごとは最終的に最高裁まで争うってことになるんでしょうけど、当たり前かもしれないけど、この時代にはそういう権威がなくて、立場によってそれぞれの価値観や慣習があって、それが常にぶつかっているという感じ。解決がついたかなぁと言う問題があっても、仲裁していた人が十字軍で出て行ってしまったら反故になったりとか、あと終油妨害とか結婚祝福するかどうかが問題になるとか、今だったらたぶん考えられないような争い方ですよね。
どっかの「等価交換の法則」じゃないけど、「贈与交換」の考え方なんかも面白かったですね。単に先祖を敬うってレベルじゃなく、もっと実際的に遺産の贈与に対する対価として、祈りがおこなわれていたって言うのがね、意外な感じ。剣の贈与が権力の委譲を示していたっていうのは、どっかで見た感じするし、色々な物語でも予想がつく感じするのであまり意外じゃなかったかな。すんなり納得できた。