書評・講評・感想・レビュー

急に思いついたので、小説作品に対して書かれる文章について、自分の中で切り分けをしてみようかと思います。別にこれが絶対正しいとかでは全くないので、話五分の一で聞き流してくださいね。

書評
作品に関して書かれた評論。その作品の属する流れや、似た作品のうちに占める位置、テーマとのかかわり方について筆者の論が展開されるもの。褒めるにしろ貶すにしろ、きちんとした論拠が必要。題材とされる作品よりもむしろ筆者の視点や力量が問われる。筆者に読み取る能力が必要。
講評
作品そのものに対して、主に技術的な面で評価する文章。作品の向上に資するために書かれる。良い点、悪い点について率直に述べる(どちらか片方しか書かないのはこの場合、片手落ちと言ってよい)ほか、改善すべき点に関しては根拠を明らかにし、助言も含めるべきである。指摘する内容によっては、筆者の書き手としての力量を問われる。筆者に書き手としての力量が大幅に不足する場合、見当外れの指摘を行ってしまう危険がある。
感想
筆者が作品を読んだ印象を述べるもの。作品と筆者(=読者。作品の著者ではない)との関わりにおいて述べられるものであり、状況に応じて作者への要望や技術的な指摘は厳に切り離す必要がある。作品の印象について述べるものであるため、その大半が筆者の思索やら思い出だったりして、一見作品と関係なさそうなものが大量に含まれてしまう場合もあるので、作者にあてて書く場合は注意が必要。
レビュー
日本語で書くと紹介記事。作品の魅力を伝えることを旨とする。対象読者層なども(例:○○な感じの好きな人には超オススメ)あわせて書くとさらに有用。

この分類ですが、実はそんなに単純なものでないことは分かった上で、目的別に文章を切り分けてしまいました。
ちなみに講評は求められないうちはあんまりしない方が無難ですし、書評は評論として作品なしでも文章の魅力がある程度保てないと厳しいです。テーマの掘り下げが浅い、とか単純に言っちゃあ駄目っす。なぜそう見えるのか、実は筆者が描こうとしてるのは何なのか、筆者の立つ位置はどこにあるのかという部分まで筆を進める必要があるでしょう。評論の題材になるほうにも読み取れるだけの深さが必要になってくる可能性があります。それと、視点に新鮮さが欲しいですよね。誰が書くんだそんなの、という感じですけど。でも、あったら面白いと思いますよ、たぶん。