訳者泣かせですか

言わずと知れた、有名な脚本ですね。
以前見たお芝居と思うと随分古い言葉だなぁと思ってみたら、訳者は思っていたよりも古い人でした。
巻末訳注を見るにつれ、もしかしたらかなり訳者泣かせな代物かもという気がしてきました。地口に洒落、掛詞。そういったものが非常に多い感じがしますね。
で、マキューシオがやっぱり目立ちますね。喋りだしたら止まらない。それこそ地口やら猥雑さのある冗句やらの連続。劇のリズムを作っているようなところもあるやに見えます。主役だけじゃなく、この役の人の成否で随分と劇の様子が違ってくるんじゃないでしょうか。
今回改めて思ったんですが、シェイクスピアの戯曲というのは、台詞だけで何もかもを表現するように出来ているんですね。情景まで実は台詞に入ってるという。しかもそのほとんどが詩で韻を踏んだりしているわけです。長編詩が芸術のひとつの大きなジャンルだった時代ゆえのことなのでしょうか。
巻末の解説、殊に当時の劇場に関する部分が非常に興味深かったです。そういう劇場で見てみたいものです。ぜひかぶりつきで。