真実のジャンヌダルク

今はすっかり歴史もの作家の藤本ひとみ女史が、ジャンヌ・ダルクの生涯をたどり、真実の姿を明らかにしてゆく、というエッセイ集。
藤本ひとみさんといえば、個人的には(古い話ですが)漫画家マリナシリーズを真っ先に思い浮かべる私です。が、この方が以前世界史の登場人物についてミーハーに語ったエッセイ集みたいのがありまして、こちらも結構楽しんで読んだ記憶があります。その本にくらべれば幾分真面目ではありますが(対象年齢も違いますし)、体裁は整ってるけれどもノリがあんまり変わってないんですね、なんだか。計算なのかどうかは知りませんが。懐かしいような唐突に感じるような奇妙な感じです。丹念に実際の場所をたどって取材されているようで、しかし堅苦しすぎず、図版もわりに多くて、ちょっとした旅や通勤のお供に良さそうな本だと思います。